折り紙で読み物シリーズ
[ 眠り と 夜明け 編 /
第六章 予兆 ]
あらすじ:
無事に明るいエリアへ戻った
ノクティスたち
仲間のグラディオラスも合流し、
一見、問題は解決したように見えるが…
関連作品:
―――――――――
折り紙・ノクティス ( 通称:ノクト )
「( 木剣でグラディオに斬りかかる )
はッ!てやッ!!」
折り紙・グラディオラス ( 通称:グラディオ )
「よっと ( 大きな木剣で攻撃を防ぐ )
そんな技じゃ、王になるのは遠そうだなぁ?」
「ッチ!まだ全力出してねぇだけだ!」
( やや遠くから写真撮影する、プロンプト )
折り紙・プロンプト
「ノクト、本当に大丈夫なのかな…」
折り紙・イグニス
「何かあったのか、プロンプト?」
「あ!イグニス、どこ行ってたんだよ!
この数時間ぐらいの間にオレたち、
結構色々な事があったのに!」
「その様子だと、良い出来事ではないようだな」
「だって、ノクトが何処かへ行って捜してたら、
グラディオは “ 変なドロボウ ” と
戦闘になりかけたし、
オレは迷子になった先で
“ ヤバそうな悪役 ” に八つ当たりさそうになったし、
それに…ノクトの様子が、おかしいんだ
さっき影の世界の人に会った時、
怖い顔して何か話してたし…
暗いエリアから戻ってきてすぐに、
グラディオに頼んで
バトルのトレーニング受けてるし…」
「(メガネの位置を片手で直す) …そうか」
「いや、それだけかよ!
ノクト、何か良くない事を隠してるよ、絶対!
心配じゃないの!?」
「心配するだけでは、ノクトを守れない
おそらくだが…今、我々に出来る事は、
あいつの心を支える事だけだろう」
「心を、支える…?」
―――――――――
数時間前の事――
「お呼びでしょうか、… … 陛下」
折り紙・レギス
「イグニスよ、今、私の足が気がかりであったか?」
「(メガネの位置を片手で直す)
原作の影響、ですね」
「ああ、我々 “ 折り紙作品 ” は
原作の力の影響を受けることで、
こうして動き、話すことが出来る」
折り紙・ルナフレーナ
「原作では、ルシス王家は代々
クリスタルと指輪が持つ魔力で
国を繁栄させ、民を守り…
その代償に老いの進みが速く、短命」
「その影響も受け、私は杖無しで
歩くことすら出来なくなってしまった
更に言えば…
いや、私の事は良い
二人を呼んだのは、この動画のことだ
まずは、何も言わずに観て欲しい…心してな」
(動画内容:白犬・プライナの導ちにより、
祖国を滅ぼした帝国へ
単独で立ち向かうノクティス
平野、乗客者の多い回送電車、鏡の中…
シフト・ドロップキックやマシンガン等を駆使し
終わりなき戦いの日々を繰り返す
やがて時空も歪み、闇の底へ
最後、結婚相手であるルナフレーナの命を…)
「これは、まさか本編の予告トレーラー…?」
「いや、この作品の名は 『 Omen 』
あくまで “ If ストーリー ” として作られた
FFXVのイメージ映像だ
本編では、この通りにはならないだろう」
「(心の声:良かった…)」
「ですが、これも “ 原作の一部 ” ですね」
「! 確かに、ゲーム本編だけが原作ではない
FFXVに関わる全ての公式作品が、僕達の原作だ」
「それが問題なのだ
本物のノクティス王子は、この結末を回避する
しかし、あの子は…
折り紙のノクトは、少なからず影響が出るはずだ」
「王子が闇堕ちする、と?」
「可能性はある
しかし私は、この “ 悪夢 ” を望まない
ノクトや皆には、幸せに生きて欲しいのだ」
「…この動画を観る限りでは、
王子のターニングポイントは
“ 絆 ” だと推測します
つまり、誰かが王子の御心を支えれば
己を見失い、破壊の未来を歩むことはないはず
―― 必ず、この未来を回避してみせます」
「私も王家を守りし神凪(かんなぎ)として、
ノクティス様をお支えし続けたい
…と思います」
「力強い言葉、感謝する
それと、イグニス、ルナフレーナ
この動画の件は、王子には黙っておいて欲しい
あの子は、ああ見えて繊細だ
必要以上に不安を与えれば、
事態が悪い方へ向かうかも知れない
故に、此度は最低限の者にだけ
この話をさせてもらった」
「御意」
「…承知致しました」
―――――――――
「よし、そろそろ休むか」
「さすがにキツいなぁ、グラディオのトレーニング」
「この程度で息切らすようじゃあ、
まだまだ鍛え足らないな」
「分かってるっつーの!…たく」
「…おい、ノクト」
「何だよ、まだ説教すんのか?」
「いや、今からアドバイス言っておくから、
よ~く聞けよ?
―― お前が何を焦っているのか、
誰を見ているのか知らねぇが、
戦いは、技や体力だけじゃない
” 心の強さ ” も重要だ
戦場で冷静を欠く時は、
大体、心も弱ってやがる
どんな敵だろうと、心は熱く、頭は冷静に
…負けるなよ、相手にも、自分にもな」
「グラディオ…」
「それでもダメだったら、
仲間に頼るって方法もあるよ?」
「最後は、お前が判断する事だが…
無茶だけはするな」
「プロンプト、イグニス…!」
「さぁて、言いたい事も言ったし
休憩だ、休憩!」
「原作だとさ、こういうタイミングで
イグニスの料理を食べるよね!」
「そう言えば、荒熱を取るために
テーブルの上に置いていた焼き菓子が
3つ無くなっていたが?」
「…あ~ さっき味見で食べたわ それ」
「つまみ食いかよ!」
「ズルいぞ、ノクト!」
「別にオレの思い出の菓子だし、な?イグニス」
「料理が完成してるかどうか
食べる側が分かっていない状態で食べられるのは、
作っている側からすれば心外だ」
「んな小さい事、気にすんなよw」
「お前は気にしろってーの!」
「イテテ!ツッコミ入れるにも加減しろって!」
「今の顔、面白かったから写真撮った♪」
「ダサい思い出を残すなよ、プロンプト!w」
―――――――――
互いが互いを想いあう仲
決して壊れることのない友情
一緒に笑いあう4人
こんな小さな楽しさが、
ずっと続けば良いと願った
だが、ルナフレーナは知っていた
近い未来、ノクティスが対峙する現実を
しかし、彼女には
王家に真実を伝えられない
悲しき事情があった――
続く